Story 「LIFE DESIGN SCHOOL」の現場から

株式会社はぐくむ(以下、はぐくむ)では創業以来、自分と向き合い、生きたい人生を共にはぐくむ教育プログラム「LIFE DESIGN SCHOOL」を運営してきました。

この約半年間のプログラムでは、実際にどのようなことが行われているのでしょうか?今回は、はぐくむのメンバーに対談してもらい、サービスの内容や参加者の変化など、「現場で見えているもの」についてお聞きしました。

LIFE DESIGN SCHOOL最後の舞台となるFORUM

流されるまま就活している学生も、ごまかし上手な大人も、みんなに来てほしい

ーーLIFE DESIGN SCHOOL(以下、LDS)はどんな方を対象にしたサービスですか?

平山 気持ちとして、世のなかの人みんなを対象にしたサービスだと思っています。「働く」をテーマにはしているんですけど、その人の生き方にスポットライトを当てて、その人がよりよく、豊かに生きていくためのプログラムだと考えています。

そのなかでも、周りに流されるままに就活をしている学生とか、いまの仕事に意義を見いだせないまま生活のためだけに働いている人にとって、LDSは1つの大きな変化のきっかけになると思います。

小寺 これまでは、「いい学校を出て、いい会社に入ったら、いい人生」みたいな価値観が信じられてきましたよね。でも、そのレールにうまく乗れなくて苦しくなっちゃっている人とか、実際にレールに乗ってみたけど、「ここじゃない感じがする」と思っている人とか。敷かれたレールの上を歩む生き方や、“他人仕様の人生”に違和感を感じて、どこかで「自分らしい人生を歩みたい」と思っている人にはマッチするかなと思います。

平山 あとは、レールには乗れるしなんとなく生きてはいけるんだけど、「自分の人生100点です」と言えない人にも来てもらいたいですね。

人って、限界を感じたり「もう無理だな」と思ったら、自然とその状況を変えていくエネルギーが湧くと思うんですけど、“それなりに生きていける人”の場合は、現状を変えることに勇気がいると思うんですよ。僕がまさにそういうタイプだったんですけどね。

本当は今の仕事や生き方に違和感を感じているのに気づかないふりをしたり、自分を適応させていくうちに、少しずつ「本当にやりたいこと」がわからなくなっちゃうことってあると思うんです。「なんとなく生きてはいけるけど、イキイキはしてないかもな」という、昔の僕みたいな人にもおすすめしたいですね。

仲間と向き合うことで見えてくる未来

「自分の人生をつくる力」を磨く半年間

ーーLDSでは実際にどんなことをするんですか?

平山 ベースとしてずっとやってきているのは、自分自身と向き合って、心からやってみたいことに目を向けることです。そして、「こんなことがしたい」が見えてきたら、実際に挑戦してみることも大事にしています。

もう少し具体的な内容に触れると、毎週開催されるクラスでは、「何のために働くのか?」「どう生きていきたいか」というテーマでレクチャーがあった上で、対話をしたり、日々の時間の使い方や振り返りの方法を学んだりもします。他にも期間中に合宿が2回あったり、「フォーラム」と呼ばれる最後の発表の場もあります。

リアルな場での交流をすることで、クラス外でのコミュニケーションも生まれやすくなっているし、深いテーマを扱うからこそ、参加者同士の関係性も自然と築きやすくなっているのだと感じています。

ーーなんとなく流されてきた生き方から、自分で感じて、考えて、実践する。自分の足で人生を歩く力を鍛えるみたいな感じでしょうか。

平山 そうですね。内省と行動を積み重ねるうちに、「自分の選択と行動が、自分の未来につながっていく」という感覚を養う、そんな半年間ですね。

小寺 あと、僕たちは「実験」という表現を使うんですけど、自分の興味関心のあることを実践する機会をたくさんつくることを大事にしていますよね。

たとえば月に一度、「LIFE WORK FESTIVAL」というイベントを開催し、それぞれが自分の好きなことをサービスとして人に提供する機会を設けていたり。そこから発展して、オンラインでそれぞれのサービスを売買できる仕組みも整えはじめているんですよ。

頭で考えて「わかったつもり」になるのではなくて、体験を通じて学ぶことが大事だなって。「やってみたいな」という想いが湧いてきたらすぐに実践してみる。そのライブ感が大事だし、LDSの特徴でもあるなと思います。

自分の好きなことをサービスにするLIFE WORK FESTIVAL

ーープログラムに参加したことで、参加者の方にはどのような変化が起こっていますか?

平山 自分の好きなことや、情熱を傾けられる仕事に踏み出せるようになることが大きな変化かもしれませんね。どんな形になるかは人それぞれで、起業する人もいれば、副業からはじめてフリーランスになる人もいるし、会社に入って好きな仕事に就いている人もいます。

小寺 LDSは、「生きる土台となる力」を養うプログラムと言えるかもしれないですね。

一般的な塾やスクールだと、参加したことで「どれくらい偏差値が上がったか」「何社内定を取ったか」という目に見えるものが、塾やスクールを選ぶ際の指標になったりします。

一方でLDSは、自分のやりたいことを仕事にする人が出てきたり、本当に望む生き方を実現できるようになってきたり、人生を通じて切磋琢磨できたり支え合える豊かな関係性やラーニングコミュニティーを得たり、自分に対する自己受容感が深まったりと、これまでのモノサシでは測れない価値が生まれています。植物にたとえると、LDSが提供しているのは根っこの部分で、目に見える部分を生み出す、根底となる「軸」や「芯」をはぐくんでいるのだと思います。

平山 「幸せになれる」というよりも、「自分の幸せをつくり出せる人」になっていくイメージですね。派手な変化ではなくても、日々の時間の使い方や振り返りが習慣として自分の中に残るのは、その後の人生に大きく影響すると思います。

自分と向き合い、内省する力をはぐくむ

卒業後も緩やかにつながりあう、豊かな関係性

ーーLDSを通して、参加者との間にどんなものが生まれていますか?

小寺 僕たち運営側と参加者は、「お客さんとサービス提供者」ではあるんですけど、それだけでは言い表せない関係性が築かれているなと感じています。

プログラムを通して自分たちの人生の物語を分かち合ってきているから、卒業後も「居場所」として捉えてくれている人が多いですね。クラスを通して得たことを人生の指針にしてくれていたり、「LDSに貢献したい」と言ってくれる人がいたり、そういった話を聞くとありがたいなと思います。

平山 はぐくむではシェアハウスも運営しているので、LDSに参加するだけではなく一緒に生活する人もいます。そうなってくると、より「ともに生きる感覚」になりますね。

あとは、クラスの世代を超えて参加者同士がコラボレーションしていたり、コミュニティのなかで活発な交流が生まれているのは嬉しいことです。

約700名の卒業生がいます

ーー「受けて終わり」ではなく、緩やかなつながりのなかで人生の質を高めあえる関係性が築けるのは嬉しいですね。では最後にあらためて、どのような人にLDSに参加してもらいたいですか?

平山 この記事を読んで、何か感じるものがあった人にはぜひ来ていただきたいです。

小寺 読んでピンとくるものがあるということは、その人のなかの何かが呼応しているのだと思います。LDSでは、クラスの雰囲気を味わってもらえるような体験会を開催していますし、他にもイベントを随時開催しているので、一度そういった場に参加して体感してもらえると嬉しいです。

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