対話こそ
願いへの羅針盤

Update 2022.10.19

話した人

小寺 毅(たけ)
平山 裕三(ぐっち)

たけ

はぐくむの特徴は何かと聞かれたら、それはまず間違いなく対話の文化にあると思うし、はぐくむは何の会社ですか?と聞かれたら、関わる人たちのチームや会社、コミュニティに対話の文化をはぐくんできた会社であると思う。予定調和で結論ありきの会話を重ねると、どんどん命の輝きを失っていくと思っていて。一方、対話では今ここで湧き上がってきたものを素直に出して重ねていくことで、その人が本当に願ってることを軸にした生き方とか、関わり方ができると思っている。

ぐっち

はぐくむは、人と一緒に何かをする過程において相手を理解することを諦めない集団だと思うんですよね。理解するためには対話が欠かせないから、とても重視している。対話を通じて自分のこと、他者のことを知る。互いを知ることでまた自分にも影響が出て、それが混ざり合うことで願いに繋がっていくこともある。

たけ

そうだね。

ぐっち

「願い」っていうのは「I」だけじゃなくて、「We」のものだと思うんですよね。自分一人の願いだったら他者との対話っていらないのかもしれないんですけど、この「願い」は「We」の願いであり、もっと言えば社会全体とか世の中の願いに繋げていけたらなっていう意味でも対話は外せない。

たけ

対話は人との関わりそのものだよね。それを深めていくということは、お互いの未知なる部分を対話を重ねながらともに探求していく冒険的なプロセスだなと思う。

ぐっち

対話を通じてみんなが「いいね」と思える一つのゴールというか、ある種の落とし所に必ずたどり着けると信じているし、経験上だいたい見つかるんですよね。多数決的な会話だと、AかBかみたいな場面で誰かが我慢せざるをえなかったりするけど、対話の場合は新しい可能性Cを探すこともできる。

たけ

それはあるよね。ディスカッションとかディベート的な考え方だと、自分の立場とか結論が絶対正しいんだって落としどころが決まってる。狙ったところにどう落としていくかっていう説得行為とかになるけど、対話の場合は自分のこうしたいなとか、こうだったらいいなっていう願いを持ちつつも、いい意味でそれに固執していない。たくさんの対話を重ねてきたわけだけど、よかったなと思える対話に共通して言えるのは、固執していないということだね。

ぐっち

さっき冒険って言ってましたけど、落とし所も握ってない状態で始まるから、もしかしたらなんか自分にとってすごいドキドキする結末かもしんないっていう可能性はいつだってある。でも経験を通じて、落とし所やコントロールしたい自分を手放して委ねたその先に、自分にもみんなにもいい方向に行くって信じられる。

たけ

さっき「We」って言ってくれたけど、ここの意味合いで言う願いっていうのはまさにそうで。一人の個人の願いもそうなんだけど、その願いが一人だけのものっていうよりも、混じり合ってみんなのものみたいな、共有感覚ってあるよね。だから自分ごと感があったりとか、そこから生まれてきたアイデアとか未来に対して、その対話に参加したみんなが当事者意識を持って自分の日常に活かしていくのかなと思う。

ぐっち

はぐくむの場において、「いない(不在)」っていうことはないと思ってて。ぼくも大きい会社にいた時は、大人数の会議の時、その場にいるんだけど、傍観者のように見てたりしてて。いるけどいない、みたいなミーティングとか会議っていっぱいあったけど、はぐくむにおいて「いない」状態ではいられない。

たけ

場を共にするってことは、そこに「いる」ってことだから、ちゃんとその瞬間瞬間の自分を分かち合うことがとても大事だよね。対話の場に参加するってことは、その時間をともに生きてるということだし、対話を重ねながら人生をともに生きているってことだよね。

ぐっち

それは思いますよ。そういう意味で、はぐくむに関わると「生きる」時間が増えると思うんですよね。当事者意識が目を覚ますというか。自分の関わっている出来事ということは、傍観者ではなく、そこに生きた自分がいることが大事だと、身体感覚として覚えていく。

たけ

そうなんだよね。対話を重ねると命が生き生きしていくよね。全ての場において対話的であること、それがはぐくむらしさだよね。その対話の場においては、装う必要もかっこつける必要もなくて、あなたのそのまんまで一緒に時間を過ごしましょうよと。そうすることでどんどん楽しくなってくる。

ぐっち

とはいえ僕自身で振り返ると、装わなくていいけど、でも装いたいって時もいっぱいあった(笑)。でもそういうのも含めて、出してから始まるんだなみたいなとこにも気づいたりしたから、そのプロセスも大事だったなと思う。

たけ

その変容のプロセスもぐっちにとって大切な物語だもんね。

私たちのミーティングは今の気持ちを共有するチェックインから始まり、チェックアウトで終わります。議題を進める中でも、トラブルに対応するときでも、常に相手の話を受け止め、こちらの心からの声を相手に届ける対話を意識しています。進むべき道に迷ったときも、対話を続けることこそが、私たちを願いに近づけてくれる本質的な時間であると信じています。

コンパス

はぐくむが大切にしている言葉は、日々の行動と願う未来をつなぐ羅針盤です。
日々の仕事や読書、毎日の朝礼から言葉を見つけ、育みながら更新し続けています。