Story with LIFEで関われる はぐくむを育んでいきたい

小中高とまじめに部活と塾に通い、地方の国公立大学に入るも、「やりたいことをやって生きるんだ!」と息巻いて大学を中退。しかし、人生の突破口が見えないまま、ふらふらと旅を続けていたぼくの背中のゆるみきったネジを一緒に巻いてくれたのがはぐくむです。

2018年11月にはぐくむと出会い、2021年10月に入社。毎日をはぐくむと共にして1年間。2022年10月の今。無意識にレールに乗って延長線上にある流れに任せて生きてきた人生。そんな生き方をちょっと脇において、自分の願いに目を向けてみる。

そうしてはぐくむとぼくの物語がはじまりました。

共に生きるよろこびを感じあえるまちづくり

TOWN DESIGN事業を通じて、はぐくむに関わる人がいきいきと自分を語り、やりたいことを実験する舞台を作ることがぼくの役目です。その中でも特に、はぐくむタウンで共に暮らす日々の中で、対話を通じて、ひとりひとりの人生の物語を共有できる文化づくりに取り組んでいます。月に1度のディナー会や、定期的なタウンミーティング。毎週のリフレクションを通じて、住人同士お互いの人生の流れを分かち合います。

現在はぐくむタウンのシェアハウスで暮らしているのは、20代の単身世代がほとんどですが、少しずつ多世代、多様なバックグラウンドを持つ人の幅を広げながら、自分の生きたい人生を生きるまちづくり/コミュニティを形にしています。

日常を共にすることは、個人の気持ちの上がり下がりや、コミュニティ全体の盛り上がりと停滞感を、連続的に分かち合っていくことになります。

人生の物語を共にする暮らしは、対話を起点としています。人をタイプ分けして評価・判断せず、感じたことがあれば話題にする。あがった話題に対して、他者の意見を折り重ねていくことで相互の理解がはぐくまれます。理解が進むと、人にやさしくなれたり、関わり方のバリエーションを増やせます。

対話から始める文化づくりは時間のかかることです。じっくり、ゆっくり時間をかけて人と関わっていくことで、結果的にはぐくむタウンで暮らす人たちがよりよく、なりたい姿に向かって生きられるような土壌が出来上がっていきます。

あたたかい眼差しが願いをひらく

はぐくむとぼくの最初の出会いは、LIFE DESIGN SCHOOLです。友人の誘いで、2018年11月からスタートしたLIFE DESIGN SCHOOL大阪3期のクラスに参加していました。

当時の僕は、なんだかよく分からないけど、”楽しいだけ”じゃ人生が進まない焦りを抱えていました。LDSに参加することで何が変わるのか、どんな未来を叶えたいのかがはっきりしないながらも、持ち前のフットワークの軽さで参加を決意して、初回のクラスがスタートしました。

LDSがどういうプログラムなのかもほとんど理解しないまま「自分のやりたいことを見つけていくんだろう」という印象を持ってはじめたのですが、ファシリテーターを担当してくれたぐっちさんと関わるうちに「どうやら、この人は本気で自分たちの人生がよくなることを願ってくれているようだ」と肌で感じ始めました。

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ぼくの大学受験は、父親が理系だったこともあり、第一志望は物理学。しかし、第二志望は心理学でした。当時のぼくの中で、言葉にならないながらも、コミュニケーションを通じて人の心にインパクトを与える仕事がやりたい気持ちがあったがゆえの心理学志望でした。

結果的に第一志望の物理学へと進学。しかし20歳で大学を辞め、そこから3年間、自由気ままに日本と海外を旅しながら暮らしていたぼくは、停滞感を感じ「なにか変えたい」という焦燥感とともに、人の心を取り扱う仕事がやりたい気持ちもムクムクの湧き上がっていました。

しかし、人の心を扱う仕事に就くには、臨床心理士になるしかない、と思い込んでいたので、大学を中退した僕にとって、再び大学、大学院に通い資格をとることは不可能な道のように思えていました。

LDSの期間を通じて、ぐっちさん含め、共に時間を過ごす同期たちが、ぼくが心の奥で本当に思っていることにいつでもスポットライトをあててくれました。ある時「だいちゃんはみんなの話をたくさん聞いて寄り添ってくれるけど、”みんな”の中に”だいちゃん”は入ってる?」と言われてぼくの心はざわつきました。

いつも聞き役にまわりがちで、心の内を自分からあまり話さないぼくにとってはとてもインパクトのある関わりでした。そうやって少しずつ自分の心を、ぼくの話を積み重ねていく中で、自分自身の等身大がやっと輪郭を帯びてきます。

「何でもありだったら、どう生きる?」

そんな問いかけを、曇りなく純粋な気持ちで投げかけるぐっちさんの存在は、ぼくの心を揺さぶり、本当はやりたかったコミュニケーションを仕事にするチャレンジが、はぐくむコーチングを通じて始まります。

はたらくとは、よろこびを循環させること

やりたいことを仕事にする。そんな感覚を、大学を辞めるころになんとなく大切にしようと思っていました。

LDSに参加して、その後はぐくむコーチングを学んでLDSの運営としてはぐくむと関わりはじめたときに、目を背けることのできないこの問いを直視します。

「はたらくとは?」

ぼくにとってのはたらくとは、時間や場所に縛られずに、好きなことをやって生きること。漠然とそんなイメージを持っていましたが、はぐくむと過ごす時間が増えていくとともに、少しずつ腹に落ちていった言葉があります。

「はたらくとは、傍(はた)を楽(らく)にすること。」

はぐくむと出会って「人にお役立ちできることって幸せじゃない?」そう問いかけられたようでした。たくさんお金がもらえても、体力的にラクでも感じられなかったよろこび。ぼくが届けたもので人の役にたてることで、仕事の歓びを感じられることを噛み締めてきました。

LDSに参加してから、はぐくむに入社するまでの3年間は、はたらくことをよく噛んで、味わう期間だったのかもしれません。

はぐくむのcompassにもある「先義後利」という言葉が好きで、常に心に留めています。これは、利を得るために先に与えよ。という意味ではなく、与えることそれ自体が歓びである。そう捉えています。与えなければ感じられない歓びがはたらくことであり、役に立てれば嬉しいし、力になれないと悔しい。そんな感覚をはぐくむにそだててもらいました。

「人生における優先順位の高いものはなんですか?」

そんな問いに対するぼくの答えは、はぐくむと出会ってからガラリと変わりました。ぼくにとってはたらくことは人生に彩りをもたらしてくれる、優先順位の高いものです。はたらくことを通して人と交わり、歓び、悔しさをバネに成長する。人生の物語を味わい深いものにしてくれます。

はたらくことを通じて、人の可能性をひらくお手伝いができれば、いきいきと生きる人が増える。その人がまた周りの人の力になっていく。その先にはきっと誰もが自分の個性を思いっきり発揮した社会の景色が見えるはずです。

そんな社会の実現に想いをはせてはたらく今この瞬間が、ワクワクに満ちています。

つながりに生かされてきた自分を許可する。

ぼくは、自分が能力のある人だと(思いたかったけど)思えてません。立ち上げようと思ったクラウドファンディングは、ビビって途中でやめたし、大学を中退後、3年もふらふらと旅をしていたから、お金はいつもたりない。それでもぼくの人生は幸せでした。

たけさんがLDSのクラスで言っていた言葉が、ずっとぼくの中に響いています。

「貧しさとは、お金がないことじゃない。繋がりを感じられないこと。」

これだ!と思いました。ぼくが今まで幸せを感じてこられたのは、人とのつながりに生かされてきたからです。
困難に直面したときには、必ずそばにいてくれる人がいました。嬉しいことがあれば、共に喜んでくれる人もいました。どんな状況を迎えても、たった1人で孤独になることはないと信じてきたのが、ぼくの人生です。

「自分ひとりで生きられる力をつけなければ」「役にたてない自分だとダメだ」そう思った時期もありましたが、つながりがぼくの人生を豊かにしてくれていることを許可してあげられたことが、はぐくむとの関わりの大きな転換点です。

そんなぼくだからこそ、はぐくむを通じて「豊かなつながりが、人生を生かす」ことを伝えることが、ぼくの使命です。

With Lifeで関われるはぐくむをつくる

大学生を中心とした事業を進めながら、じっくりと時間をかけて、高校生や社会人とも関わりを持てるようになってきました。どんな年代や人生のフェーズであれ「どう生きるか?」という問いは変わらず大切です。

はぐくむタウンを中心に、子どもから学生、社会人、子育て中の家族など、人生を通じて寄り添い、人生を共有できる社会をつくっていきます。

はぐくむタウンで暮らす人のバラエティに幅が出ると、まちの中でお互いにお役立ちできる機会が増え、サービス提供を通じたお役立ちの循環が生まれる。そんな舞台をつくった先に、共に生きるよろこびを感じあえる社会の実現があると信じています。

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